2013年5月18日土曜日

凶器


無垢な瞳で彼女はこちらを見つめてきた。
そう言うと可愛らしさがあるのだけれど、
(実際、カワイイ。異論は受け付けない)
手にしている不釣合いなサイズの棍棒が
威圧感を放っている。なにあれこわい。
大きく、太く、重く、何より大雑把で。
何も、棍棒を恐れているワケではなく。
自由自在に操る彼女が居てこその重圧。
でも、その棍棒も、彼女も知った上で、
なおカワイイ。だからこそ、なのかも。
惚れたら負け。弱みを握られてしまった。
ただでさえ敵わない相手なのになぁ……。

双眸




視線を感じた。何かがこちらを見ていた。
眼があり、眉があり、顔の半分があった。
今は、何も見えない。森の木々と宵闇と、
静寂が支配する空間がここにあるだけだ。

  行きはよいよい、帰りは怖い。

知らなかったんだ。あんなに怖いなんて。
高を括っていた自分の判断が、恨めしい。
一睨みされただけで腰が抜けてしまった。
進退が窮まる。行きも、帰りもできない。
これから自分は、どうなってしまうんだ。

第73回電源不要!コンベンション


日時2013年 7月7日(日) 10:30(開始)~19:30(終了)  
場所栃木県宇都宮市東市民活動センター(旧東コミュニティセンター)  創作室 第一会議室(定員50名)
住所:栃木県宇都宮市中今泉3丁目5番1号
受付開場 9:30~
GM受付/~10:20(GM紹介用紙の提出まで含む
一般受付/~10:25(遅刻厳禁)

閉会式/19:00
セッション完全終了/19:30
会場完全撤収/20:00

※受付時間内でも定員(50名)に達した場合、受付を締め切る場合がございますので、予め御了承お願いします。  
内容TRPGフリープレイ

※フリープレイのシステム上、GMが足らなくなることもあります。PL参加のつもりでもシナリオのストックをお持ちいただければ、幸いです。
会場費500円(GM無料) できれば500円玉を事前に作っておいてくれると助かります。
交通・JR宇都宮駅東口から 徒歩約20分
                
・駐車場完備 (台風のため、一部駐車場が水没する可能性があります)
連絡先メールアドレス dengenfuyo@gmail.com
備考7月は夏。夏といえばホラー。ホラーの定番といえばゾンビ。
というわけで7月のテーマは「ゾンビ」
なに?七夕なのにゾンビなのはおかしいって?
そんなのゾンビ牽牛とゾンビ織姫がT-ウィルス天の川で出会えばいいんですよ!
俺は何を言ってるんだ!俺に聞くな!
あ、もちろんテーマをガン無視したルールやシナリオでもかまいません。

2013年4月6日土曜日

悪戯/徒


窓の外に、なんかが見える。何だ、あれ…?
首は正面に向けたまま、視線だけをズラす。
あー、妖精か。見たことないタイプだけど。
トラディショナルとか、アジアとかそんな。
向こうにも妖精は居るんだ。知らなかった。
いや、カッコが違うだけかな。まぁいいや。
チラリ。まだ居る。ずーっと見てる。何だ?
見られて困る事はしてないけど、困るなぁ。
やりづらいなぁ。気にしなきゃいいんだが。
見ちゃったからなぁ、見ないフリは難しい。
あ、そうか。逆に考えるんだ。追い払おう。
わざとらしく首ごと窓のほうに視線を送る。
これでどうだ。あれ、まだ居るぞ。変だな。
あっ、これ紙じゃねぇか!
テープで留めてあるし。やられた!

開花


「諸君、おはよう。春がきたぞ」
「Zzz…」
「まだ2月ですよ?」
「暦がどうとかではない。春は、春だ」
「春なう、とかそーいう?」
「え、春一番ってまだですよね」
「気象庁に吹かなかっただけである」
「あー、そんなこと言ってましたね」
「ねてるー」
「人は人、自分は自分ですよー」
「どっちの意味?」
「人間と一緒にされては困る」
「あぁ、そういうヒトか」
「花が咲いたら春である。自然の摂理だ」
「うぁ、適当」

啓蟄



久しぶりに、息子を連れて公園に来た。
ここは自然も多く、危険な遊具もないので
言葉どおり、手放しで遊ばせていられる。
だけど、今日は息子の様子がおかしい。
しきりに私の袖を引っ張って、
公園のどこかへ連れて行こうとする。
何か、見せたいものがあるらしい。
今までにはこんなことはなかったのに。
危険があるといけないから案内されるまま
息子についていく。すると、ある樹の前で
袖を引く力が弱くなった。この樹が…?
すると、あの虫なぁに、と訊かれた。
どれだろう。アブラムシくらい小さい虫は
幹に沢山いるんだけど。それじゃないみたい。
大きくて、黒くて、3匹居る、らしい。
鳴いたり、合図したり、手招きしてるらしい!
何なの!?
気持ち悪くなった私は、息子の手を引き
公園から逃げるように立ち去った。

春幻



「絵本から抜け出したような」なんていう、
馬鹿げた表現が、でもなぜか、自然にそう、
思わせるような、何か変わった格好をした、
美しい女性を、目の当たりにしてしまった。
もちろん、周囲を考えれば不自然なのだが、
不思議と、そんな違和感を抱くことはなく、
さも当たり前のように、見ることができた。
僕は、と言えば、特別に何か行動を起こす、
という訳でもなく、奥手な性格も手伝って、
ただただ、傍観しているのが精一杯だった。
こちらの視線に気づいたのでだろう彼女は、
まるで、見られたこと自体に驚いた表情で、
その場から消えて、居なくなってしまった。
ここで初めて、彼女がどういう存在なのか、
そして、自らの行動力の低さを、理解した。